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タイ交換留学のねらい



タイ交換留学のあらまし 

 

2016年に広島工業大学とタイのカセサート大学が研究提携した際に、各大学の附属学校同士も交流することが規定され、これをきっかけとして本校のタイ交換留学が始まりました。夏休みに約2週間本校生徒がタイで過ごし、9月に相手校を受け入れるプログラムとなっています。両校で行うプログラムは、それぞれの国に造詣の深い先生のオリジナルメニューとなっています。



留学先がタイである意義

 

日本で交換留学といえば、欧米やオーストラリアなどの学校と行うのが主流となっていますが、東南アジアの学校と行うのは珍しいケースです。そのため、一般的な高校生の交換留学とは異なる場合も多くなっています。例えば、英語が主なコミュニケーションツールであるとは限らないことや、タイ国民の王様への敬意を目の当たりにすることなどを通じて、欧米とは異なる「外国」の多様性を肌で感じることができます。また、日本とよく似た「おもてなし」の精神が強いこともタイならではでしょう。このように「欧米的な常識」が世界の常識ではないことを知るのが広島なぎさ流の味付けがされたタイ交換留学なのです。




「熱い」互いの交流

 

日本での事前学習はかなり綿密に行います。生徒はあまりの内容量の多さにびっくりします。しかし、タイ現地に行って初めて、そのすべての内容がコミュニケーションに必要であることを知ります。自分では十分な学習をこなせたと自負して渡航した生徒が、現地で自信を喪失してしまうこともありました。そんな時にありがたいのが留学先の生徒の存在です。タイの生徒は私たちに興味津々で、次から次へと声をかけてきてくれます。タイのルールでは、友人の友人は自動的に友人となるので、見知らぬクラスの生徒からもSNSで連絡がきます。それゆえ、私たちが困っているのがわかったら、何とかして助けようとしてくれます。このような熱い思いを知らず知らずのうちに本校の生徒は体感し、渡航前はシャイで引っ込み思案だった生徒も徐々に「熱さ」を共有し始め、帰る頃には前に出て表情豊かに自信を持って話せるようになります。交換留学が「本物の交流」になるのです。昨今のコロナ禍で直接訪問する交流が中止になってしまっても、交換留学参加者が、何とかして元気づけられるメッセージをタイに送ろうとこぞって動画を作成したのは、タイで得た「熱さ」のおかげだと思います。このような環境の中で活動した生徒の多くが、海外を活躍の場とする国際系を希望進路とするのもうなずけます。このように実り多い活動なので、参加希望者が徐々に増加する傾向にあります。現在互いの交換人数を増やすよう交渉しています。



今後の交換留学の行方

 

現在タイは、めまぐるしく発展しています。その勢いを体現するように、タイの生徒は貪欲に学び、様々なことに挑戦し続けています。このような街や人の姿に刺激を受けるうちに、本校の生徒は「日本はアジアで一番発展している」という根拠のない自信を打ち砕かれ、自分たちの進むべき道やあり方を模索し始めます。こうして受け入れる価値観こそが、今後国際社会で活躍するために必要なものだと私たちは確信しています。タイの熱気に負けない生徒を育成するのが、タイ交換留学プログラムを行う私たちの使命なのです。


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