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卒業生を送って

6学年主任 奥田昌之先生




高校3年間すべてコロナ禍で生徒も大変な学校生活だったと思うが、学年主任として感じること

 

今までにはなかった、制限が多い学校生活となり、どうしようもないのですが、ずっと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。夏の甲子園で東北勢として初優勝した仙台育英の須江航監督が「青春って、すごく密なので」という言葉を残していますが、そんな密な学校生活を送らせてあげたかったです。

4年生の頃は、きちんとソーシャルディスタンスがとれているかなど、常に厳しい目で注意を払わなければなりませんでした。遠足が中止になり、本来ならば3か年生(高校から入学した生徒)との交流が行われる予定でしたが、その機会も失われました。4月の中旬には臨時休校となりオンライン授業に切り替わりましたが、双方向のやりとりから授業をつくっていくことがとても難しかったことを覚えています。細かなニュアンスが伝わらず、この時期にやっていた単元がそのままこの学年の苦手分野となってしまい、悔しい思いをしました。

臨時休校が明ける際には、ちゃんと生徒全員が揃うのか、生活リズムが乱れてそのまま学校に来るのが難しくなった生徒がいないか、心配が尽きませんでした。登校が始まってからもマスクをつけた授業となり、お互いの表情がうまく伝わらず、もどかしさを感じました。だんだんと制限の多い学校生活に慣れてきてからも、昼食時の黙食、グラウンドの使用制限など、学校生活の中で楽しい時間であるべき時間が失われていました。

ただ、その中でもやるべきことを前向きに、一生懸命に取り組む生徒の姿、まっすぐにひたむきに努力するその姿に、私自身も頑張ろうという気持ちにさせてもらえました。生徒たちに心から感謝したいです。



生徒が成長を感じた場面・エピソード

 

成長を感じた場面とは異なりますが、感心した場面を2つ挙げたいと思います。

一つは、きちんと相手に感謝の気持ちを伝えることができるところです。4年次の遠足が中止になり、3か年生との交流ができなかった分、6月の臨時休校明けに学年のレクリエーションを企画しました。各クラスがいくつかのグループに分かれて指定された教室に行き、そこでクイズなどのクラス対抗戦を行って親交を深めました。久しぶりのイベントに生徒たちはとても盛り上がり、企画側としてもとても嬉しかったことを覚えています。そのレクリエーションが終わった後、何人かの生徒が、「企画していただき、ありがとうございました。」と声をかけてくれました。これは、この学年が4年生のときに夜間歩行が台風で中止になり、代わりに学年のレクレーションとしてクラスマッチをやったときも同様でした。とても心が温まる思いをしたことが忘れられません。

もう一つは、普段の授業の取り組みです。この学年はとても学び合いが上手な学年でした。授業でたとえ難しい問題を出しても興味を持って向き合い、頭を動かし、手を動かし、そして周りと相談して、少しずつ解決していくことができました。これは社会に出ても必要な能力ですので、これからも磨いていってほしいと思っています。



卒業後の生徒に期待すること・エール

 

この学年が中学3年生のときから学年主任を担当していますが、学年スローガンを、この学校の教育方針の一部を借り、一貫して「社会に奉仕する人になるためには」としてきました。社会に奉仕する人になるために、まずは自分を知り、社会を知り、能力を磨くこと、その延長線として多くの生徒が大学へと進学していきました。卒業生にはしっかりその能力を磨き続けてほしいです。ただ、社会はテクノロジーなどの発展によって、その姿を大きく変えていきます。そのため、生き方に迷うことがあるかもしれません。それでも皆さんはまだまだ若いです。立ち止まることもできますし、やり直すこともできます。それでも悩むようであれば、いつでも母校を訪ねてきてください。皆さんの幸せを願う恩師が、いつでも笑顔で迎えてくれます。だから心配せず突き進んでください。皆さんが社会で活躍するのを楽しみにしています。


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